臨界、再臨界とは?

臨界について

核燃料物質は、核分裂性物質の量、形状、中性子に対する条件が整うと、

核分裂の連鎖反応が起こる。この核分裂による連鎖反応が継続している状態を

臨界状態にあるという。

核燃料物質は中性子が当たると核分裂を起こす性質があり、

核分裂に伴って2〜3個の新たな中性子が発生する。

この中性子が別の核燃料物質に当たり、次々に核分裂を起こすが、

臨界状態では核分裂によって発生する中性子数と核燃料物質などに

吸収されたりして消失する中性子数が均衡状態となる。

原子炉では、制御棒などによって中性子数を制御しているが、

制御棒を徐々に引き抜いて行き連鎖反応が維持される状態を臨界に達したという。

核燃料施設では、臨界が起こらないように、核燃料物質の取扱い量を制限したり

容器などの形状を工夫し臨界管理を行っている。

 

再臨界とは!?

再臨界とは、臨界状態であった原子炉などが、一旦停止するなどして

核分裂が止まっている状態である「未臨界状態」になった後に、

何らかの原因により再び臨界になることである。「再臨界状態」とも呼ばれる。

沸騰水型軽水炉などの原子炉の場合、地震や事故などにより炉心が破損したり、

冷却水を注水するための非常用ディーゼル発電機などが使えなくなったりして、

原子炉の原子炉圧力容器に冷却水を注入する機能を消失すると、

圧力容器内部の水位が低下し燃料棒が露出する。

この時、燃料棒の露出が続き、ウラン燃料が溶け出して、

圧力容器の下部に蓄積するなどして大規模に集中して「臨界量」に達すると、

制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる「再臨界」となる。

 

再臨界が起こると核分裂反応の制御は非常に困難となり、

大規模なエネルギーが発生して原子炉内で爆発し、

大気中に放射性物質の飛散する結果を招く。

1986年にチェルノブイリ原子力発電所で発生した「チェルノブイリ原発事故」と同様、

「国際原子力事象評価尺度レベル7」に分類される、

広範囲で大規模な放射性物質汚染を招くおそれがある。

 

メルトダウンと再臨界の起こる順番

冷却不可→メルトダウン→再臨界→釜が抜ける→ 水蒸気爆発→制御不能





このサイトでは放射能汚染、被爆に関して調べたものを記載してあります。

一般的な見解として、ほぼ間違いないとは思いますが、中には違う意見の専門家も

あるかもしれません。最終的にはご自身の責任においてご判断ください。