五重の壁の実際はこうなっている

・第1の壁:ペレット

「燃料のウランを固めたもの。」

平常に運転しているときでもクリプトンやキセノンなど揮発性の放射能は燃料棒から
しみ出して被覆管との隙間に溜まっているので、これらの放射能に対しては

壁とは言えない。 セシウムも沸点が700℃程度と低く、燃料棒損傷で放出されやすい。

 

・第2の壁:燃料棒(被覆管)

「350個のペレットが特別丈夫な金属の管の中に入れられている。」とあるが
「特別に丈夫な金属」といわれているのはジルコニウムという金属。
これを使う理由は核分裂の時にでてくる中性子を吸収しにくいため。
この被覆管の厚さは0.8〜0.9mm。ペレットの半径は約4mm、燃料棒の半径は約6mm。
ペレットの中心は2400度で、燃料棒の外側は280度、

6mm程度の間で約1700度近くの温度差がある。

従って燃料棒を外からものすごい勢いで冷やしている。もし冷却水が漏れて
故障が起これば燃料棒はどんどん熱くなってしまうことになる。
そして850度になるとジルコニウムは水と反応して燃え出して、放射能は外に漏れ出す。
ジルコニウムが燃えると水素が出来、水素爆発の危険がでて来る。
スリーマイル原子力発電所事故では実際にこれが起きた。

 

・第3の壁:圧力容器

厚さ約150ミリの低合金鋼製の原子炉圧力容器
冷却材に溶け込んだ放射能が外部に漏洩することを防ぐ。

 

・第4の壁:格納容器

圧力容器を納める厚さ約30ミリの鋼鉄製の格納容器
原子炉圧力容器が破損した際に、放射能および放射線の漏洩を防ぐ

 

・第5の壁:建屋の壁

厚さ約1メートルのコンクリートの原子炉建屋の壁
原子炉格納容器外部まで放射能が漏洩した場合に、外部への漏洩を防止する。

 

・安全説明の絵にはない詳細部分

インターネットなどでみられる原発の安全説明の解説では
原子炉につながっている全ての配管を省略して原子炉を閉じこめた絵が描かれている。
もしこのように原子炉が閉じこめられていたら、燃料を入れたり出したり、
原子炉からタービンを回す蒸気を取り出したり、制御棒をコントロールしたり、
冷却水を送り込んだりすることができない。

 

実際にはこれらの目的のために何本もの太い管や細い管がこの壁を通っている。
特に多いのは原子炉の下の部分で、ブレーキの役目をする制御棒の穴が100個くらい、
炉心の中性子をモニターするための穴が30個もある。
制御棒を入れるための管をハウジングと云うが、浜岡原発の1号炉では、
ハウジングと圧力容器との溶接部にひびが入っていてるものが多く、
その一部から原子炉の水が漏れていた。





このサイトでは放射能汚染、被爆に関して調べたものを記載してあります。

一般的な見解として、ほぼ間違いないとは思いますが、中には違う意見の専門家も

あるかもしれません。最終的にはご自身の責任においてご判断ください。