内部被曝による危険性

内部被曝では、透過性の低いアルファ線、ベータ線のエネルギーが

ほとんど体外に逃 げることなく、人体に影響を与える。

体内に摂取した際、危険なのはアルファ線、ベ ータ線を出す核種である。

137Cs、90Srともにベータ線を体内で照射する。


外部被曝では、地表面に降下した放射性物質からのガンマ線が中心になる。
これはアルファ線やベータ線が殆ど人体に到達しないからである。

 

アルファ核種(Pu等の放射性物質)やベータ核種は、体内に摂り込まれると

強力な電 離力を持つアルファ線やベータ線を沈着した特定臓器の局所に照射する。
特に90Sr(ストロンチウム90)は、チェルノブイリでも環境中の植物、動物、飲用水
に移行し、人体内にすこしずつ蓄積され、イットリウムの強大な放射線能力 により

骨髄細胞を傷害すると指摘されている。

因みに137Cs(セシウム137)もベータ核種である。

 

アルファ線は体内(固体内部)では40マイクロメートルしか飛ばないが、

この間に10万 個の電離を起こす。人の細胞は10マイクロメートルほどである。

アルファ線が細胞核に当たった場合、20%の細胞が死に、

生き残った細胞もほとんどが異常となる。


放射線が1つの細胞を打撃した場合、打撃を受けなかった周囲の細胞の遺伝子も変性
を受けることが最近明らかになっている。

これをバイスタンダー効果と云い既にメカニズムがマイクロビーム装置等によって実
証されている。この際、多くの異数体細胞が出来ることも判明している。

ストロンチウム(90Sr)はセシウム137(137Cs)と比べ確かにエネルギーは小さいが、
ストロンチウム90が崩壊するとイットリウム90になり、イットリウム90は高エネルギ
ーのベータ線を放出する。このベータ線は水中で10ミリまで届き、ストロンチウム90
はベータ線を放出する放射能としては健康影響が大きい。
イットリウム90のエネルギーは2.28MeVと格段に高く、

あの凶悪なコバルト60よりも 強力である。


特に90Srはチェルノブイリでも環境中の植物、動物、飲用水に移行し、

人体内にすこ しずつ蓄積され、先ほどのイットリウムの強大な放射線能力により

骨髄細胞を傷害す ると指摘されている。因みに137Csもベータ核種である。

 

欧米では、原子炉周辺での小児白血病やがん発生が論争になり、その原因が原子炉の
排気塔から放出される核分裂生成物に起因すると指摘されている。

既に原子炉外 に大量に放出された137Csや90Srを、汚染地域住民が長期的に

摂取することは不可避 であり、その中でも90Srは骨に長期間にわたり蓄積されていく。

 

137Csも体内濃度が 20Bq/Kgであっても、臓器はその数倍〜20倍の濃度に

濃縮されることが知られている。

東北大加齢研究所のグループが、警戒区域に指定された地域で野生化した牛の内部被
曝状況を調査したところ、放射性セシウムが筋肉に多く蓄積しており、その濃度は血
液中の20〜30倍だった。血中69Bq/kgがももの筋肉では1800Bq/Kgだった。
137Csは特定臓器に於いて、血中濃度の10倍以上濃縮されることを意味する。
そして、現実の臨床結果では、個人差こそあるものの地域の放射能汚染濃度に

体内濃度が比例すると考えられる。




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あるかもしれません。最終的にはご自身の責任においてご判断ください。