知れば知るほど、恐ろしい
原子力発電は、蒸気でタービンを回して電気をつくる。
この蒸気を作るのに核分裂のエネルギーを使うのが原子力発電で、
燃料として使 われ る物質はウラン235。
天然のウランの中には核分裂を起こさない(燃えない)ウラ ン238が
99.3%と核分裂を起こす(燃える)ウラン235が0.7%含まれている。
原子力発電には燃えるウラン235の濃度を3%から5%まで濃くした
(この過程を濃 縮といいます)燃料が使われている。
ウラン235に中性子が一つ当たるとウランの原子核が二つにわれる核分裂が起こる。
この分裂の時に中性子が2から3個飛び出し、同時に熱が発生する。
核分裂の時にでてきた中性子の数をうまく調整していき次々にウラン235に当てると
核分裂反応を定常的に起こさせることができるようになる(これを臨界と呼ぶ)
。
その時に発生する膨大な熱でお湯を沸かし、蒸気を発生させ、タービンを廻し、
発電するのが原子力発電。
タービンを廻す蒸気は高温の方が効率がよく、火力発電では400度の蒸気が
使われるが、原子力発電の場合は強い放射線によって機器が損傷されるため、
2百数十度まで 下げられる。
核分裂反応によって発生する熱は2400度(東京電力によると1700度 ) にもなるので
2百数十度の蒸気を得るために、燃料棒の周囲にものすごい勢いで 冷却水を
流すことになる。
タービンを廻した後の蒸気の熱は復水器で冷やされ温排水として捨てられる。
原子力発電所が必ず海岸か大きな川、湖のそばにあるのは余分な熱を捨てるための
冷却水がなければ発電が成り立たないためである。
ウラン燃料ペレットは直径約8ミリ高さ約1センチの円筒形をしている。
これが長さ4メートル、厚さ1ミリ以下のジルコニウム合金の
円筒形被覆管に数百個も 詰められている。
ウランは比重が大きく重いので、この針のような燃料棒は
非常に注意して扱わないと自分の重さで壊れてしまうほどのもの。
核分裂を起こさせるとこの燃 料棒の中に放射性の核分裂成分
(死の灰ともいわれる)が必然的にたまっていく 。
100万kW時の原子炉を1年間動かすと、一般人の摂取限度の2,500兆倍の
放射性物 質が 炉心にたまる。その中にはプルトニウム239などのように長寿命
(放射能の量が半分になる半減期が24,000年)の放射能も含まれていて、
これら毒性の強い放射性物質は生物の生活圏から完全に隔離しておかなければ
危険であるが、この技術はまだ確立されていない。
核分裂の連鎖反応を定常的に維持するため燃料棒の間に制御棒を入れ
中性子の数を調整する。
死の灰から出される大きな崩壊熱は原子炉を止めても急には冷えない。
制御棒を差し込んで反応を止めた後、発熱率が0.1%になるまでに
約1ヶ月もかかる。
これから分かるように、例え原子力発電を今日、直ちに止めたとしても、
使用済燃料 は10年以上にわたって冷却し続けなければならない。
その間冷却に失敗すると燃 料棒 が溶けて放射性物質が環境中に放出され、
大変な事故になる可能性がある。
沸騰水型(BWR)原子炉の原子炉は加圧水型と違い、一次冷却水、
二次冷却水の区別はなく、原子
炉の中で直接お湯を沸かし蒸気を作っている。
この蒸気を気水分離器という装置を使って取り出してタービンを廻し発電する。
その結果、沸騰水型原子炉ではタービンの外側まで色々な放射性物質で
汚れることになる。そのため労働者被ばくが大きな問題となる。
また、原子炉から出た蒸気は大きなパイプを通って、そのまま格納容器の
外に出ているので、万一パイプに破断が起きると原子炉からの放射能が
直接環境中に放出されることになる。
このサイトでは放射能汚染、被爆に関して調べたものを記載してあります。
一般的な見解として、ほぼ間違いないとは思いますが、中には違う意見の専門家も
あるかもしれません。最終的にはご自身の責任においてご判断ください。