放射能と放射線
放射能(Radioactivity)とは、物理学的な定義では、放射線を出す能力。
焚き火に例えると火が「放射能」で、熱が「放射線」です。
放射線が物を透過する性質を利用するため、放射性物質が様々な分野で利用されている。
病院などで受けるエックス線検査のように、目に見えない放射線発生装置(線源)から
照射されて人体などを透視し、特殊フィルムの上に影をつくるのが放射線の力です。
透視する線のことを「放射線」と呼び、その発生源が「放射能」となります。
私達の身の回りにあるすべての物は原子で形づくられています。
原子には、水素、酸素、炭素など 111種類あります。
原子の中には、そのままでは不安定で、自然に壊れて放射線を出し、
安定した原子に変わっていくものがあります。
これを放射性同位元素と呼びます。
また、この現象が核壊変と呼ばれるもので、壊れる時にエネルギーとして熱を出します。
ウランやプルトニウムという原子は、質量が他の原子に比べ大きいので、
人工的に濃縮すると核分裂が連鎖的に起こり、多大なエネルギーを出します。
3%濃縮ウランの1グラムの熱量は石炭3トン分と同じ量になります。
放射性ウランを99%までに濃縮したもののエネルギーを利用したのが原爆です。
放射能には、幅広い種類があります。前出の放射性同位元素もそうですし、
レントゲンや胃腸透視をする時に使う機械のような、
電圧を使って人工的にX線を発生させる「人工線源」も同様です。
宇宙で惑星が誕生する際、核爆発に似た大爆発がおこり、
常に放射線を放出して地球に降り注いでいます。
地球の深部にあるマグマと呼ばれる層も、溶岩も、 放射性同位元素が
分裂してエネルギーを出しています。
また、火山地帯には地熱により温泉がわきますが、
この温泉にも放射性物質が溶け込んでいます。
その他、私達が日常食べている食物にも放射性物質が含まれています。
つまり、私たちは常に放射線を浴びて生活しているわけです。
また、放射線はアルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線など、
いくつかの種類があります。違いは、物質を突き抜ける力の強さや、
物質と反応する能力の強さです。
中でもエネルギーが強いエックス線は、病院でレントゲンに使われており、
診療科としては放射線科と呼ばれています。
さらに、放射線が細胞分裂を止める性質があるので、ガン細胞の治療、 医療器具の滅菌
ジャガイモの発芽防止などに 放射性物質であるコバルト60が利用されている。
バセドウ病など特定の病気の治療薬として放射性物質を投与することがある。
このサイトでは放射能汚染、被爆に関して調べたものを記載してあります。
一般的な見解として、ほぼ間違いないとは思いますが、中には違う意見の専門家も
あるかもしれません。最終的にはご自身の責任においてご判断ください。